コンテンツプロデューサー専攻 

第3期ミューミドルマン養成講座レポート「音楽もビッグデータが征する時代~あらゆるデジタル音楽サービスに不可欠となった音楽認識技術の最先端」

NMM1204

2015年12月3日(木)19:30~21:00
ゲスト講師:米村 知晃(グレースノート株式会社 Director,Business Development)
タイトル:「音楽もビッグデータが征する時代~あらゆるデジタル音楽サービスに不可欠となった音楽認識技術の最先端」

今回はグレースノート株式会社Business DevelopmentのDirecterの米村 知晃さんをゲストに、サブスクリプションサービスの裏側、仕組みの話を聞くことが出来ました。

米村さんは、ドラマ「金八先生」の最初のシリーズで生徒役で出演されていたという稀有な経歴の持ち主。その後、テレビ局や芸能プロダクション、映画の買い付け、家電メーカーなどで、エンタテインメントに関わる職に就かれてきました。

そんな幅広い見識と鋭く時代の先を見る感性を持った米村さんがGracenoteに注目したのはiTunesのJust For You機能がきっかけ。このレコメンデーション(パーソナリゼーション)の走りであるシステムと出会い、仕組みを調べ、Gracenoteであることがわかり、近い将来、音楽ビジネスの中核となる可能性に興味を持ち入社されたそうです。

CDのタイム情報から、タイトルや曲情報を照合する「TOC」の仕組みがiTunesに採用されたGracenoteは、PCやカーオーディオなどの分野で活用されるBtoB企業として成長しました。スマホアプリの時代、更にその必要は増しています。

日本において、スタートしたサブスクリプションサービス、ストリーミングサービスの肝である「リコメンド(パーソナリゼーション)」や「プレイリスト機能」において、Gracenoteが提供するメタデータや認識技術により成り立っているものは多く。デジタル時代の音楽サービスに欠かせない存在となっています。

それは、大きく5つの要素に分けられ、
「ジャンル」Genre
「ムード」Mood
「時代」Era
「オリジン(地域)」Origin
「アーティストタイプ」Artist Type
ここからさらに細かくタグ付けされています。
これらと、音声波形(フィンガープリント)での認識によるデータ解析を組み合わせ、様々な機能を提供することで、サブスクリプション音楽サービスのバックヤードを支えています。

また、今後のデジタル音楽サービスを考えたり、ビッグデータ活用のエンタメ事例として、特にアメリカにおいて急速に広まっているスポーツのデータ活用、それによって生まれたアプリサービスについての説明も興味深いものでした。今回のお話から感じたことは、現在私たちが使っているストリーミングサービス、サブスクリプション・サービスは、ほんの入り口でしかないということです。

米村さんの語る「音楽を聴く人のわがままなニーズ」はもっと「わがまま」に解放される事で、音楽ビジネスも次のステージに進む事できると想像できました。いい音楽を伝えたい、もっと楽しんでもらいたいと願うニューミドルマンにとって、データ活用によるサービスへの理解は必須、より深くたくさん知ることによって音楽の未来はもっと広がるはず!

講座終了後は、恒例の懇親会を高田馬場の安くて美味しい中華料理店さんで、米村さんを囲んで行いました。